ふぃーたっくす

物理屋から税務屋へ.phy→tax

心地よい忙しさ

無遅刻だった高校時代と一変し、大学時代は何度か授業に行かないこともあった。研究室はコアタイムなしの自由な雰囲気だったため、これまた行かれない日があったり、なんとか午前中に滑り込むみたいな日があったりした。自分は高校まで真面目だと思っていたから、できない自分を責めることも多かった。行けばいいだけなのに行けない。やればいいだけなのにやれない。今思えば、強制力がなくなればだらけるという典型的な人間だっただけなのだが。そこで自分を律してやれる人は本当にすごくて尊敬する。

 

さて就職した私はまた強制力により毎朝それなりの時間に起きてそれなりの時間の電車に乗りそれなりに働きそれなりに子どもの世話をする生活になった。学生生活の最後の方は、もう退学を決めていたからゆっくり過ごしていて、本は読んでいたけど何もしてないに等しいくらい。そこから働くのはギャップが大きいのではないかと危惧していた。1週間前くらいから似たような生活リズムで予行練習をするつもりだったが、案の定強制力のない場面においては自分はダメなのだった。結果いきなりいわゆるワーママとして社会人デビューをしたわけだけど、親切な職場の方や保育園の先生方、夫や比較的元気な子の力もあり、なんとかやっている状況である。

 

私はとにかく強制力がないとダメなタイプ(これはまあ大体の人がそうだろう)であるが、強制力があればきちんと頑張れるタイプでもある、と思う。試験本番で失敗したという話はよく聞くが、私は本番ではむしろド集中により(?)練習ではとれなかったような点数や、練習ではうまく話せなかったプレゼンがなぜかうまくいくのである。だから強制力がないとダメな自分を責めるのではなく、凡人だと思って強制力をうまく使って、本番になぜか強い特異体質をたまに活かしていけばよいのだと思う。

 

小さい子どもがいながら仕事があってそれなりに楽しくて、心地よい忙しさがあることの幸せをかみしめて職場に向かう電車の中で。